教養を身に着ける
詳細はこちら

「ザ・セカンド・マシン・エイジ」を分かりやすく解説

オススメ記事
この記事は約6分で読めます。
スポンサーリンク

近年はテクノロジーが急速に発展しています。

私たちが生活する世界も年単位で大きく変化していきます。

そしてこれから先の未来、この成長スピードはさらに加速することが予測されています。

そんなAIやICTが発展した時代(セカンドマシンエイジ)が到来したときに、人間はどうなってしまうのでしょうか?

この疑問に丁寧に回答してくれるのが、エリック&アンドリュー著「ザ・セカンド・マシン・エイジ」です。

この記事では、「ザ・セカンド・マシン・エイジ」について解説していきます😆

スポンサーリンク

「ザ・セカンド・マシン・エイジ」の著者

エリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィーは共に、アメリカの経済学者です。

現在エリックはMITスローン・スクールの経営学教授を、アンドリューはMITデジタルビジネス研究センター主任教授を務めています。

彼らの主な著書には「機械との競争」「ザ・セカンド・マシン・エイジ」があります。

エリックは1962年生まれで、ハーバード大学にて応用数学と意思決定科学で修士号を取得、MITにてテクノロジーが仕事に与える影響に関する論文を書き博士号を取得しました。

アンドリューは1967年生まれで、MITにて工学と経営学の学位を取得、ハーバードビジネススクールにて博士号を取得しています。

現在はハーバード大学バークマンセンターのフェローでもあります。

スポンサーリンク

「ザ・セカンド・マシン・エイジ」の解説

「ザ・セカンド・マシン・エイジ」(2014)はエリック&アンドリューによって書かれた経済学書です。

デジタルテクノロジーが急速に発展する未来において起こりうる、失業問題や格差問題について言及、その解決方法までを提示しています。

本書は現代的な問題をテーマにしており、一見難解にも見える内容を分かりやすく説明してくれる一般向けの経済学書となっています。

以降、詳しい内容について見ていきましょう。

セカンドマシンエイジとは

タイトルにもなっている、セカンドマシンエイジとは何を意味するのでしょうか?

マシンエイジとは機械時代のことを指し、急速にテクノロジーが発展・実現している期間を指します。

またセカンドについてですが、これは200年前の産業革命をファーストマシンエイジと捉えており、人類史上2回目の機械時代となるため、名付けられました。

ファーストマシンエイジでは、蒸気機関や機械が肉体労働を代替していきました。

セカンドマシンエイジでは、デジタルテクノロジーが知的労働を代替していくだろう、と筆者は言います。

かつて肉体労働の仕事が機械にとって変られたように、現代の知的労働は機械によって補われていくのです。

この時代では、デジタル・ネットワークを利用することで地球にどこにいてもオンライン上で繋がることができ、さらにAIやブロックチェーン技術が導入され、産業革命をはるかに上回る経済成長が予測されています。

生産性の向上には時間がかかる

コンピューター時代は間違いなく到来します。

もしかしたらもうすでに我々は渦中の中にいるかもしれません。

しかし多くの場合、テクノロジーが産業に導入されてから、生産性が向上するまでに時間がかかります。

なぜなら、新たなテクノロジーへの適応に時間がかかってしまうからです。

汎用技術となり得る電力やICT(情報通信技術)などが、しっかりと効果を発揮するためにはまず、新たな仕事のやり方を学ぶ必要があるのです。

例えばアメリカの工場に初めて電力が導入されたのは1890年代です。

しかし、実際に労働の生産性が向上したのはそれから20年も後のことでした。

ある日突然に蒸気機関から電動モーターに変わったとしても、労働者たちはそれに適応するために新たなマニュアルを作成し、仕事内容を変更しなければならず、適応までには時間がかかります。

1980年代のICT(情報通信技術)導入の際も同様のことが発生しました。

1980年代に導入されたICTは1990年代になってやっと生産性の向上に結びつきました。

賃金格差の拡大

1970年代以降の先進国では、高学歴で高いスキルを持つ労働者の賃金は10-20%上昇するのに対して、それ以外の労働者の賃金は減少しています。

そしてこの流れは今後さらに加速していくだろう、と筆者は語ります。

単純作業や簡単な知的労働は全て自動化され、低スキル労働者たちは仕事を失っていくのです

21世紀においては、資本を所有することよりも、テクノロジーを利用して利益を生み出せる高いスキルを持つことが、高い資産性を持ちます。

また筆者は、賃金格差の拡大は経済の停滞にもつながる可能性も示唆します。

例えば1990-2008年のアメリカの世帯収入は全体で20%上昇しています、しかし住宅費や医療費、教育費などの費用は50%上昇しています。

このねじれた経済構造が社会的流動性を低くしているのです。

ちなみに社会的流動性とは、社会階層間での変化の起こしやすさを表わしており、例えば低所得者が中所得以上に移行することが挙げられます。

ベーシックインカムは解決策になりうるか?

セカンドマシンエイジにおいて発生しうる問題を解決する方法はあるのでしょうか?

失業問題や経済格差を是正する方法として、ベーシックインカムというアイデアがあります。

これは、国民全員に生活を営める最低限所得を保障するシステムであり、毎月数万円のお金を供給します。

筆者はこの提案には反対しています。

得られるメリットが多いのも事実ですが、デメリットもあります。

例えば、労働には生活費を稼ぐこと以外にも、目的意識やプライド、社会貢献などの心理的なメリットが存在しています。

ベーシックインカムによって完全に労働が失われてしまった場合、心理的ストレスは増加し、より多くの社会問題を発生させる危険性がある、と筆者は言います。

人間>機械の分野に目を向ける

ベーシックインカムの代わりに筆者が挙げる解決策が、機械よりも人間の方が優れている分野に目を向けることです。

現在のテクノロジーレベルでは、新たなモノを創造したり、イノベーションを生み出すことはできません。

全ての知的労働がなくなる訳ではなく、無駄が排除されて真に人間が行うべき仕事が浮かび上がってくるのです。

そしてここでキーワードになってくるのが、問題解決能力やデザイン性、創造性などです。

現在のテクノロジーは単純な知的労働を人間よりも正確にこなします。

しかし、より複雑で高度な知的労働であればテクノロジーに仕事を奪われることはありません。

むしろ、人間の発想力とコンピューターの優れたデータ解析力が協力することで、新たなイノベーションを生み出せるのです。

つまり、機械にはできないより人間らしい部分に注目することが、セカンドマシンエイジを生き抜くためのコツなのです。

スポンサーリンク

「ザ・セカンド・マシン・エイジ」まとめ

エリック&アンドリューは著書「ザ・セカンド・マシン・エイジ」を通して、テクノロジーが発展した未来において起こりうる問題とそれの解決策を提案しました。

どんな時代であっても人間らしさを失わないことが重要です。

ぜひ参考にしてみてください😆

以下記事のまとめです。

  • エリックとアンドリューはMITの教授である
  • セカンドマシンエイジとは、AIやブロックチェーン、ICTなどのテクノロジーによって引き起こされる新たな機械時代のことを指す。
  • この時代には、賃金格差や社会の衰退などの問題が起こる可能性がある。
  • 筆者の解決策は、機械よりも人間が優れている部分に注目し、そこを活かす働き方をすることである。

コメント