ポジティブ心理学をご存知でしょうか?
ポジティブ心理学とは、どうすれば人間は幸福になれるのか、という命題について研究する心理学の一派です。
まだ始まったばかりの学問ではありますが、情報過多でストレスを感じやすい現代を生きている我々にとっては、参考になる部分が多くあります。
この記事では、前野隆司さん著「実践ポジティブ心理学」を参考に、幸せについて解き明かしていきます。
ポジティブ心理学とは
ポジティブ心理学とは、人間の幸福について研究する心理学の中の一派です。
今までの心理学とは、主に心理的病や不調を抱えている人を改善することを目的としており、普通の人がどうすれば幸福になるのかを研究していませんでした。
つまり、多くの人の心理状況をマイナスからゼロにすることを目的にしていたため、ゼロからプラスへのアプローチがなかったということです。
ポジティブ心理学ではこのゼロからプラスの部分にフォーカスしています。
病気の人を普通に戻すのではなく、普通の人がどうすればさらに幸せになるのか、これについて研究しているのです。
詳しい歴史と経緯はこちらをご参考下さい。
幸福のための4因子
では、ポジティブ心理学では人間の幸福をどのように定義するのでしょうか?
現在のポジティブ心理学は、幸福を4つの要素から成り立たせています。
それが以下の4つです。
- やってみよう因子
- ありがとう因子
- なんとかなる因子
- ありのまま因子
これらの因子を満たしている人は幸福なのです。
ポジティブ心理学では、幸福な状態とはネガティブよりもポジティブが上回っている状態を指します。
上記の4因子を意識することでポジティブの総量は増えていきます。
幸福な人の特徴
続いて幸福な人の特徴について解説します。
楽観主義
幸せになりやすい特徴の1つに楽観主義があります。
楽観主義者は成功しやすいし、幸せにもなりやすいのです。
なぜなら、人よりも状況を楽観視しているので行動が速く、行動量も多いので、成功確率が上がるのです。
そして、楽観主義になるために必要な因子が
- やってみよう因子
- なんとかなる因子
の2つです。
なんとかなると思い込んで、とりあえずやってみる、この姿勢が幸せに繋がります。
人間は行動をすることで学び成長し、結果的に自己実現をするのです。
物事を楽観的に捉え、主体的に行動しましょう。
友達関係が広い
色んな友達がいることも幸福につながります。
人間はソーシャルな生き物であり、友人と過ごす時間は非常に価値のあるものです。
そして、ここで重要なのが
- ありがとう因子
です。
良い人間関係を構築するためには、根底に感謝の気持ちが必要です。
誰に対しても常に感謝をする姿勢、つまり利他的な精神を持っている人間が幸せになれるのです。
友人関係が広いことのメリットは他にもあります。
例えば、コミュニティのリスク分散が挙げられます。
1つのコミュニティに所属し、狭い人間関係だけにフォーカスしていると、そこで何か問題が発生したときにどうしようもなくなります。
視野が狭くなってしまい、状況を客観的に見れなくなるのです。
そうするとそれがストレスとなり、不幸の原因になりかねません。
必要以上に友人関係を広げる必要はありませんが、限られたコミュニティだけに深く関わることもリスクがあるのです。
広めの友好関係を目指しましょう。
他者との比較をしない
他者との比較をしないことは、幸せになるための鉄則とも言えます。
非常に多くの書籍で他者比較の危険性は語られています。
しかし、いまだに多くの人がこの呪縛から逃れられていないこともまた事実です。
SNSが発達し、情報の流通速度が圧倒的に高まった現代において、他者との比較を容易にできる下地が整っているのです。
自分の考え方・マインドセットを変えない限りは、あなたもまたこの他者比較の罠にかかってしまいます。
そして、ここで重要になってくることが
- ありのまま因子
です。
他者との比較を減らす方法は、自分はありのままでいい、ということを認識することです。
あなたはあなたらしく、ありのままでいればいいのです。
理想的な自分を目指したり、完璧主義に苛まれたりと、本当の自分を見失ってしまう人は多いです。
しかし、あなたは今のままでいいのです。
必要以上に頑張らずに、今の自分を受け入れてあげる、これが非常に重要です。
ポジティブ心理学流:幸せになるための具体的な方法
幸せになるための4因子を満たすためには何をすれば良いのでしょうか?
方法はたくさんあるのですが、ここではいくつかを紹介させていただきます。
幸せ日記
あなたがその日にあった良い事を日記形式で書きましょう。
毎日書いていくことで、ポジティブな出来事に自然と意識が向くようになり、思考もポジティブになっていきます。
大切なのは、実際に良い事があったかどうかではなく、自分が幸せだったと思い込むことです。
思い込みながら書くことで、思考をネガティブからポジティブに上書きしましょう。
目標を設定する
自己実現は自分らしさにつながり、ありのまま因子を満たすことに繋がります。
そして自己実現をするためには、目標を掲げてそれを達成することが非常に重要です。
なので、まずは目標を設定しましょう。
- あなたの夢は何か
- どんな自分になりたいか
- どんな未来を実現したいか
何かしらを目標設定したら、それを紙に書き、いつも目に入るところに貼っておきましょう。
ただし、多くの人はここで目指すべき理想の自分と現状の自分のギャップに萎えて、ネガティブになってしまいます。
未来の自分と現状の自分を比較するのではなく、夢に向かって努力する自分を肯定しましょう。
そうすれば頑張っている自分もありのままの自分になります。
感謝を伝える
感謝を伝えると幸福度が上昇することは多くの研究から分かっています。
ポジティブ心理学でもありがとう因子という形で表現されています。
感謝する場面は1日に30回以上も存在していると言われています。
- コンビニで商品を買ったとき
- 家族に何かしてもらったとき
- 友人と会ったとき
当たり前だと思っていることでも、実は感謝の対象であるというケースは多いです。
感謝はすればするほど幸福度が上がっていきます。
「ありがとう」を言えるチャンスを逃さないようにしましょう。
「実践ポジティブ心理学」まとめ
ポジティブ心理学は”人間がどうすれば幸福になれるのか”について研究する学問です。
あなたが幸せを感じられるかどうかは、あなたの心の持ちようが大きく関係してきます。
以下記事の要約です。
- ポジティブ心理学とは、人間の幸福を科学する学問である
- 幸福のための4因子は、やってみよう因子、ありがとう因子、なんとかなる因子、ありのまま因子
- 幸福になりやすい特徴は、楽観主義、交友関係が広い、他者比較しない
- ポジティブ心理学の具体的な方法論は、幸せ日記、目標設定、感謝を伝える
ぜひ参考にしてみてください!
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