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マーティン・セリグマン「ポジティブ心理学」について分かりやすく解説

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この世界には数多くの学問が存在しています。

ポジティブ心理学も心理学から派生した新たな学問です。

ポジティブ心理学では、どうすれば人間が幸福にポジティブに生きられるのか、に焦点を当てて、日夜研究が行われています。

この記事では、そんなポジティブ心理学の権威でもあるマーティン・セリグマンが語る、ポジティブ心理学の現状について解説します。

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マーティン・セリグマンとは

wikipedia参照

マーティン・セリグマンは、ニューヨーク州アルバ二ー出身の心理学者です。

プリンストン大学の哲学科で学位を、ペンシルバニア大学で心理学の博士号を取得し、1976年より同大学で教授として在籍しています。

うつ病や異常心理学に関する世界的権威であり、彼の研究はポジティブ心理学の創立へと繋がっています。

現在はペンシルバニア大学のポジティブ心理学センターの長として、研究に務めています。

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今までの心理学

ポジティブ心理学を解説する前に、心理学の全体像について把握しましょう。

心理学は生まれて間もない学問です。

そしてここ60-70年間の心理学者たちは特に、病床モデルを採用していました。

実際の実験を通して、心理状態を特定し実際の病気への影響までを見る、この流れを採用していました。

今まではまやかしだと思われていた心理学ですが、現代では科学として確立することができたのです。

事実、現状存在する14の精神疾患は心理学の研究により手当をできるようになりました。

うつ病や〇〇依存症への精緻な検査もできるようになり、病種をさらに細かく分類できるようになりました。

薬物治療や心理学的治療の開発、繰り返しの実験による有効性の検証、これらを繰り返すことで、多くの成果をもたらしてきたのが心理学です。

結論として、今までの心理学と精神医学は、苦しんでいる人の苦しみを和らげることができると確かに主張できる、ということが分かります。

いままでの心理学の問題点

ただし、今までの心理学には良くない点がいくつかあります。

行動規範の変化

今までの心理学者と精神科医は病気を見つけ出し、それを治療することに躍起になっていました。

そしてその病気の根本治療ではなく、対処療法的な姿勢が蔓延していき、最終的には「困難は外的なものである、どうすることもできない」と捉えるようになってしまいました。

つまり、人間が毎瞬”選択と決断”をすることを忘れ、ただ発生する病気の処置をするようになってしまったのです。

普通の人への研究が減った

病人をどう治すのか、に集中した結果、普通の人の人生をさらに良いものにするにはどうすればいいのか、という観点が完全に抜け落ちてしまっていました。

困っている人を助けることに特化しすぎて、困っていない人のさらなる幸福を達成する研究が疎かになっていたのです。

病気で苦しむ人をネガティブからゼロの状態に持っていくことはできても、ゼロからポジティブに引き上げることができなかったのです。

研究者たちの衝動

研究者たちは、困難にある人々に対して何ができるか、回復のために何かをしてあげよう、という衝動に駆られていました。

そして事実、心理学を取り囲む人の多くはそのような姿勢を持っていました。

結果的に、そのような状態から”人々をより幸せにしよう!”というポジティブな介入は発展しませんでした。

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ポジティブ心理学

このような歴史的背景の中、多くの人をより幸福にするための学問の必要性に気付いたマーティン・セリグマンは、ポジティブ心理学を創設します。

3つの指標

ポジティブ心理学は、普通の人々をより幸福にするための学問です。

そしてこの学問には3つの指標があると、マーティン・セリグマンは言います。

  • 短所と同じく長所にも関心を向ける
  • 人生で素晴らしいことに関心を向ける
  • 普通の人々の人生をより充実させる、高い才能の教育に関心を向ける

ポジティブ心理学は、人々の生きがいについて科学する学問であるとも言われます。

このようにして、ポジティブ心理学は始まりました。

幸せの分類

彼らは非常に多くの研究を今までに行ってきました。

  • 人間の強みを発見できる”strength finder”の開発
  • ポジティブな感情が発生する原因
  • 脳の左半球と右半球の幸福への影響の仕方

また、釈迦からトニー・ロビンズまでの何世紀にもわたる幸せへの介入方法についても研究をし、いくつものマニュアルを作成しています。

そして結果的に、幸せは3つの異なる要素に分解できることが分かりました。

3つの異なるレシピによって、人間の幸福は構成されるのです。

  • 快楽の人生
  • 夢中を追求する人生
  • 意味のある人生

以上3つが人間の幸福な人生を定義するための構成要素となります。

1つずつ見ていきましょう。

快楽の人生

快楽の人生とは、幸福のために単純に快楽を求めることを指します。

欲しいものを手に入れ、食べたいものを食べ、やりたいことをやる、これを繰り返して快楽を追求する人生です。

多くのポジティブ感情を得ることができ、さらにその感覚も強化できるので、一見幸せになれるように見えますが、この要素には限界があることが分かりました

この”快楽の人生”には欠点があったのです。

それが以下の3つです。

  • 快楽で得られるポジティブ感情には遺伝性がある
  • 快楽で得られるポジティブ感情には慣れがある
  • 快楽で得られるポジティブ感情は引き延ばすことができない

つまり快楽の人生とは万人に当てはまるものではなく、さらにそこで得られる幸福も短期的で限界があるのです。

夢中を追求する人生

夢中を追求する人生とは、フロー状態を引き起こす生き方です。

快楽とフロー状態の違いは何でしょうか?

快楽とは、その場で起こっているという生の感覚が伴い、思考と感覚が存在しています

フロー状態とは、何も感じずに時間が止まっているような感覚に陥ることを指します

そして研究の結果、フロー状態を引き起こす頻度が高く、自分の長所を活かしてい生きている人は、幸福を感じやすい傾向があることが分かっています。

つまり、自分の長所を活かし、没頭できるような人生を送っている人は、幸福になりやすいということです。

意味のある人生

人生における意味とは何でしょうか?

それは、志、野望、待望、ビジョン、信念、夢、などと言い換えることができるかもしれません。

マーティン・セリグマンはこの意味のある人生のことを、自分よりも大きな何かに捧げる人生である、と言っています。

自分の強みを知り、それを何か大いなるものの達成に使う、それが意味のある人生です。

そして、この”意味のある人生”も幸福に大きな影響を及ぼすことが分かっています。

3つの幸せの結論

幸せには3つの要素があり、それが関数として組み合わさり幸福を定義されていることが分かりました。

では、これらの幸福の要素はどのように評価されるのか、数千人への調査を元に結論が出されました。

  • 快楽の追求は人生の満足度にほとんど関係ない
  • 意味の追求が最も強力
  • 夢中の追求も幸福と強い関係がある

つまり幸福な人生とは、意味をもって夢中になって生きる状態であり、快楽はその人生の彩を加えるのです

結論として

  • 3つの要素が全て揃った生き方は、3つの総和よりも大きい(シナジーが生まれている)
  • どれもない空っぽの人生では、人生の満足度は非常に低くなる

ことが言えます。

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幸福をもたらす具体的な方法

人生の質は後天的に高められることが研究によって分かっています。

ここでは具体的な方法をいくつか紹介します。

感謝の訪問

1つ目の方法は感謝の訪問というものです。

端的に言うと、今までの感謝をしっかりと伝えましょう、ということです。

あなたの人生において、あなたを助けてくれた人は多くいるでしょう。

それは親かもしれませんし、友人や教師、それ以外かもしれません。

まずは1人、感謝を伝えたい人を見つけましょう

見つけられたら、その人への感謝状を300語ほどで書きましょう

そしてその手紙をもって、その人の元へ訪問します。

実際に会って手紙を読み、感謝を伝えるのです。

この行動を行うだけで、そこから先の何年間もの間、うつ病に罹りづらくなることが分かっているのです。

慈善活動への参加

慈善活動をする人びとが集まる場所に行きましょう

そこにいる人と交流するだけで元気づけられ、幸福になりやすくなります。

単純に楽しい行動をとっただけでは、その気持ちはすぐに元通りになってしまいます。

しかし、他人を助ける慈善的行為は、その効用が長続きするのです

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ポジティブ心理学が目指す世界

今までの心理学は、苦痛や不幸を取り除くことだけにフォーカスしてきました。

しかしそれでは、人々のマイナス感情をなくしゼロの状態にもっていくことしかできません

だからこそ、マーティン・セリグマンやその他多くの心理学者は現在ポジティブ心理学を研究しているのです。

苦痛や不安を取り除くのと、幸せを築くことは違います

そして、幸せの総量は増やすことができます

今の人類は必要以上にネガティブ感情を生み出し、ポジティブ感情を消し去っています。

ポジティブ心理学では、そんな世界を学問の観点から改善し、この星に生きる人類の幸せの総量を増やすことを目的にしています。

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まとめ

ポジティブ心理学は人間の幸福に重きを置いた新たな心理学です。

人間がどうやったら幸せになれるのかははるか昔からの人類の命題であり、これからの更なる研究が期待されます。

以下本記事の要約です。

  • ポジティブ心理学では普通の人がどうすれば幸せになれるかにフォーカスしている
  • 幸福には3つの構成要素がある
    • 快楽の人生
    • 夢中を追求する人生
    • 意味のある人生
  • 夢中を追求すること(フロー状態)、意味を持つこと、の2つが特に重要である
  • 上記3つを満たす人生は高い幸福度を得られる

ぜひ参考にしてみてください。

なおこの記事は、TEDTalkの動画を参考にしています。

ご興味ある方はこちらもご確認ください。

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