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エマソン「自己信頼」を分かりやすく解説

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エマソンはアメリカ合衆国の思想家・哲学者です。

彼は超越主義者として、多くの哲学者とは一線を画す思想を展開し、多くの人に影響を与えました。

日本人では、福沢諭吉、宮沢賢治、内村鑑三などが、エマソンの影響を受けたと言われています。

この記事では、そんなエマソンの「自己信頼」について解説していきます。

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エマソンとは

エマーソン1857年
Wikipedia参照

ラルフ・ウォルドー・エマソン(1803-1882)とは、アメリカ合衆国の思想家・哲学者です。

彼の超越思想は個人主義の象徴のような存在であり、多くの人の心の支えとなりました。

彼の主な著書には「運命」「自己信頼」「自然論」などがあります。

エマソンは1803年にボストンにて誕生します。

14歳でハーバード大学に入学、18歳には卒業し、数年間は教師として働きます。

その後、同じくハーバード大学で神学を学び、牧師となります。

しかし、神学に関する論争の末、エマソンは牧師をやめることとなり、ヨーロッパへと旅立ちます。

彼は著書の中で、超越主義の思想を表明しています。

それらは高く評価され、様々な場所で講演活動を行っていきました。

ハーバード大学での講演の際には、アメリカは知的観点よりヨーロッパから自立するべきだ、という主張をしたことで知られています。

彼は、人々を勇気づける超越主義の思想を記す本をいくつも出版し、1882年にこの世を去りました。

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エマソン「自己信頼」の解説

「自己信頼」(1841)はエマソンによって書かれた哲学エッセイです。

彼が40歳になる前に書かれた本作は、非常に高い評価を受け個人主義を象徴する作品となりました。

運命の強大さと自立した個人の力強さを克明に語る彼の思想は、現代を生きる我々にも刺さるものばかりです。

以降、詳しく解説していきます。

運命

運命と聞くと、どのような印象を受けるでしょうか?

エマソンは、運命とは耐えがたい指図である、と主張します。

この世界には、どんなに願っても変えることのできない、必然が存在しているのです。

我々のような人間は、そんな運命という名の鎖に縛られつつも、個人の個性に従い、自分らしい人生を築いていきます。

多くの人は、運命という絶対的な潮流に流されながらも、その範囲内で自由を得ているのです。

エマソンにとって生きるとは、その人が生きる時代の精神と制限の範囲内で、自己を実現していくこと、だとしています。

生きるとは、時代の精神と制限の範囲内で、自己を実現していくことである

運命の重み

運命は非常に残酷であり、かつ強大な存在であると言えるでしょう。

我々は生まれた瞬間から、性別や人種、遺伝子などによって運命を定められます。

また、突然の自然災害や天変地異を通して、我々の未来を打ち砕きます。

その強大さに圧倒され、個人では太刀打ちできないことを知らされます。

エマソンも、人間一人のちっぽけな存在が運命に対して何かしらの影響をもたらすことができる、という思想はあまりにも放漫だと言います。

科学の発見が世界で同時多発的に発生するのと同じように、運命には我々の想像をはるかに上回る、それ自体の働きを持っていると言えるのです。

エマソンは運命の重みを強く主張します。

だからこそ、運命に立ち向かうのではなく、運命の力と協調して生きることの重要性を説くのです。

世界を動かすもう1つの力

この世界は運命によって支配されているのでしょうか?

エマソンは、世界を動かす力には運命と活力の2種類があると言います。

活力とは、人間の持つ力であり、運命への「堂々たる一個の対抗存在」である

活力には、既に規定された歴史を破壊し、新たに創造する力を持ちます。

人間は運命の潮流に流され、抗うことはできません。

しかし、その流れの中で意志を持って自由に活動することができるのです。

エマソンは、運命の強大さに打ちのめされ、くよくよするのは辞めるべきだし、自らを運命に任せっきりにするのも良くない、と言います。

そして、運命の力を頼りつつも、その中で自由に行動することを勧めるのです。

人間の創造性

人間には創造性という素晴らしい活力があります。

この世界の運命と人間の自由の間には、想像力を活かすことができる隙間が必ず存在しています。

運命と自由のバランスを取りながら、人間の持つ想像力を駆使して新たな可能性を創り出すことで、人生は豊かになっていくのです。

エマソンは、運命の力は強大であるが、人間の持つ情熱的な意志には更なる力が存在する、と言います。

たしかに人類の過去を振り返ると、新たな国家を誕生させたり、新たな宗教を生み出すことで平和をもたらしたりと、運命を覆したかのようにも見える事例はいくつもあります。

運命を変えた事例
  • 地域の統一、新たな国家の誕生
  • 新たな宗教の誕生による平和の到来
  • 下水道の整備によるチフスの淘汰
  • ワクチンの開発によるコロナウイルスの脅威の弱体化

運命に背くことは難しくても、その運命に対する反応や態度を変化させる自由を、人間は持っているのです。

自己信頼

エマソンは世界の運命に抗うのではなく、宇宙の性質を理解し、それに協調することが大切だと説きます。

だからこそ、運命に全てを委ねるのではなく、個人の責任を重視し、自立した人間であることの大切さを説くのです。

運命から自立した人間に必要なことは、自己信頼です。

自己信頼という原理だけが、勝利のために必須条件だとエマソンは言います。

運命に翻弄される人間は、自らの人生に対する責任が欠如しており、その責任を運命に押し付けています。

一方、この世界にて勝利を収める賢い人間は、運命の強大さを理解しつつも、その力を活用します。

幸運や運命などの、大きな潮流に身をゆだねることを辞めましょう。

そうではなく、自己信頼を通して自立し、意志を実現していくことが勝利につながります。

原因と結果の法則

魂は未来に起こることを既に内部に含んでいるとエマソンは言います。

現実世界でのできごとは、人間の持つ思考の実現でしかないのです。

魂はかくあるのではない、かくなるのだ

エマソン「自己信頼」

この世界を支配する運命を、エマソンは原因と結果の法則であると言います。

つまり、全ての現象にはかならず原因と結果が存在しており、これらの連鎖ですべてが説明できる、ということです。

この法則に流されて生きることもできるでしょう。

しかし、自ら主体的に、原因という名の希望を魂に宿すことで、それは結果となって現実に反映され、運命は良い方向へ進み始めるのです。

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まとめ

エマソンは「自己信頼」を通して、自立した人間として運命と協調することの重要性を説きました。

彼の思想は、ニーチェや福沢諭吉をはじめ、多くの人々に影響を与えました。

大変な時代にこそ、エマソンのような思想は力を発揮します。

ぜひ参考にしてみてください。

また、エマソンの影響を受けた福沢諭吉や内村鑑三についての記事もありますので、興味があればこちらもご覧ください。

  • エマソンはアメリカの思想家・哲学者である
  • エマソンは著書「自己信頼」を通して、自立した人間として運命と強調することの重要性を説いた
  • 運命ではなく自己に頼る生き方、つまり自己信頼こそが勝利につながる

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