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【プラグマティズムとは】ジェームズの哲学や名言を簡単に分かりやすく解説

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プラグマティズムという新しい考え方を提唱したウィリアム・ジェームズ。

彼の哲学は、イギリス経験論的主張(実際に自分の目で見た実証主義的な思想)も大陸合理論的主張(神や仏などの超越的な存在を主張する思想)も認めるという、独特な立ち場をとります。

アメリカ心理学界を大きく牽引した彼は、その独特な哲学主張を通して、多くの人に影響を与えてきました。

日本人では、夏目漱石や西田幾多郎が影響を受けたとされています。

この記事では、そんなウィリアム・ジェームズの哲学や名言について解説していきます。

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ウィリアム・ジェームズとは

Wikipedia参照

ウィリアム・ジェームズはアメリカの哲学者・心理学者です。

プラグマティズムを提唱するプラグマティストとして知られる一方、意識の流れの理論を提唱し、アメリカ文学にも多大なる影響をもたらしました。

日本では、西田幾多郎や夏目漱石が影響を受けたとされています。

彼の主な著書には、「プラグマティズム」「宗教経験の諸相」「純粋経験の哲学」などがあります。

ジェームズは1842年にニューヨークの恵まれた家庭に生まれます。

10代のときにはヨーロッパを移住し、いくつかの外国語を学びます。

アメリカに帰国してからは、画家になるための勉強をしていたものの、最終的にハーバード大学の医学を学ぶことを決意します。

ドイツで生理学を勉強していた際は、心理学の新たな概念・思想を知り触発されます。

医学の学位を取得して以降、1875年から心理学の講義を持つようになり、アメリカ最初の心理学実験所を設立します。

有名心理学者のフロイトやユングがアメリカを訪れた際には、彼らとの出会いをきっかけに、その他多くの哲学者や作家と知り合うこととなります。

彼は心理学の研究をしながらも、教授としても活躍し、1880年にはハーバード大学の哲学助教授に、1885年には教授になりました。

彼の教え子には、ジョン・デューイやジョージ・ハーバート・ミードがいます。

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プラグマティズムの解説

ウィリアム・ジェームズの提唱するプラグマティズムとは一体どのようなものでしょうか?

プラグマティズムとは、実用主義や実際主義とも呼ばれ、全ての観念は人間の生活に対して有益である限りは「真」である、ことを主張する思想です。

つまり、自分たちの生活において実際に役立ち、メリットがある思想や理念、信念や哲学は全て価値があるという考えた方です。

功利主義とも似たような構造を持つ主張であり、善であることが証明できれば、超越主義的な科学的観点からは信じられないようなことも、真であると捉えるのが特徴です。

プラグマティズムとは、どんな思想や信念、哲学であっても、我々にとって有益である限り、真であり価値があるとする思想

哲学はあまりにも個人的である

ウィリアム・ジェームズは哲学の個人的傾向について着目しました。

多くの哲学者は客観的にこの世の仕組みを説明しようとしますが、その多くには個人的願望や思想が含まれている、と彼は考えたのです。

その観点から考えると、哲学の歴史は人間個人の哲学的傾向の衝突であったと言えるでしょう。

なお、ウィリアム・ジェームズは哲学のことを、気質である、と表現しています。

哲学を提唱する哲学者だけでなく、その主張を受け取る人々にも、個人的な好き嫌いは存在します。

哲学は人それぞれが、宇宙と自分との関係性や自分という人間についてを感じ理解する、その方法であり、全ての人が自分なりの哲学を持っているのです。

プラグマティズムは、そんな多種多様な哲学を正確に評価することができる、極めて独特な存在なのです。

イギリス経験論と大陸合理論とプラグマティズム

イギリス経験論では、観察者が自分の目で見た事実こそが全ての基礎であると考えます。

反宗教的で超越的な存在は認めず、どちらかというと悲観的な価値観を持ちます。

一方、大陸合理論では、目には見えない抽象的な存在や原理を信仰する傾向があります。

宗教的な秩序を重んじ、自由意志や世界の調和を目指す楽観的な価値観を持ちます。

両者は基本的に対立しあい、お互いを貶しあいます。

プラグマティズムの観点から両者を考えると、どちらとも主張支持者に少なからず実利を提供していることが分かります。

両者はそれぞれ異なった主張を信じることで、同じくメリットを得ているのです。

つまり、プラグマティックに考えると、イギリス経験論も大陸合理論も「価値があり真である」と言うことができます。

対立しあう2つの主張を、別の物差しで測ることで両立させるという思考の転回は、示唆に富んでいます。

プラグマティズムの興味深い特徴

プラグマティズムの大きな特徴は、どんなに常識離れした仮説や主張であっても、それが合理的に利益をもたらすのであれば、受け入れるという部分です。

例えば、経験論が主流である現代においては、宗教的主張を受け入れる人は少なくなっているかもしれません。

ただ、宗教の存在が信奉者の心を励まし、幸福をもたらしていることも事実です。

ウィリアム・ジェームズも、「宗教的経験の諸相」の中で、回心体験(宗教に目覚める個人的な宗教体験)によって人生が好転した事例を取り上げ、目には見えない超越的な存在が実際的な価値をもたらすことを主張しています。

全ての主張を現実世界における実用性という観点から観察するプラグマティズムは、我々の正確な評価を可能にしてくれます。

多くの人は、過去の経験や思考から、対立する主張を毛嫌いする傾向があります。

しかし、人には人の真理があり、解釈が存在しています。

そして、その人が価値を感じているのであれば、それは真である正しい事なのです。

大切なのは、正しい解釈ができるかではなく、そこに価値が存在しているかどうかなのです。

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ウィリアム・ジェームズの名言

ウィリアム・ジェームズは哲学者・心理学者として人間の心を深く研究し、プラグマティズムを始めとする、いくつものユニークな概念を提唱しました。

彼の言葉は、多くの人に多大なる影響を与えてきました。

この章では、その中でもオススメの名言を厳選して紹介させていただきます。

人生は価値あるものだと信じなさい。

そうすればあなたのその信念が、

人生は価値あるものだとい

事実を生み出すでしょう。

ウィリアム・ジェームズ

プラグマティズムの考え方に乗っ取り、価値があると思い込むことによって、実際に事実を生み出すという主張です。

抽象的で宗教的な概念も、科学的で経験的な概念も、結局はそこに価値があると思い込むから、価値があるという事実を生成するのです。

どんな計画であれ、

重要な要因は、あなたの信念です。

信念なくしては、

立派な結果が出ることはありません。

ウィリアム・ジェームズ

物事が価値を持つかどうかは、あなたの信念に委ねられています。

あなたが信念を持って行動すれば、自然と結果はついてくるでしょう。

心が変われば行動が変わる。

行動が変われば習慣が変わる。

習慣が変われば人格が変わる。

人格が変われば運命が変わる。

ウィリアム・ジェームズ

これはウィリアム・ジェームズの非常に有名な名言です。

全ての根底を流れるのは心です。

あなたの心の持ち方を変えるだけで、世界もまた大きく形を変えることができます。

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「ウィリアム・ジェームズの哲学と名言」まとめ

ウィリアム・ジェームズはプラグマティズムという新たな思考概念を提唱することで、大切なのは解釈ではなく、そこに価値があると信じることである、と主張しました。

単純な実利を重視するこの主張は、単純に見えてなかなか理解されないものでもあります。

ただ、プラグマティズムという物差しを持っていれば、少し思想に柔軟性が生まれるかもしれません。

ぜひ参考にしてみてください。

  • ウィリアム・ジェームズはアメリカ合衆国の哲学者・心理学者
  • プラグマティズムとは、どんな思想や信念、哲学であっても、我々にとって有益である限り、真であり価値があるとする思想
  • 信念でも哲学でも、価値があると信じるのであれば、それは真である

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